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  • 熱量の安定供給について

ハンダ量の安定化について

スルーホール裏

なぜハンダ量の安定化が必要なのでしょうか。

ハンダ量の安定化が重要な理由は、自動化の際に特にハンダ量がばらつくと、ハンダを溶かす熱量が変化し連続安定性を欠いてしまいます。また品質的にもブリッジ、基板裏面へのハンダ垂れ(たれ)を発生させる要因ともなっています。

従来の糸ハンダを送る方式では糸ハンダの外径より少し大きな内径をもつガイド(チューブ)を使用し、ハンダゴテより離れた所から細い糸ハンダを送ることが多く、ガイド内での遊びによりコテ先端に出て来るハンダ量(長さ)が変わり、糸ハンダの溶ける量の不確定、コテ先へのぬれ量の変化等の要因でワークへのハンダ供給量を安定化させることが困難でした。これらの問題に対して弊社では次のような対応を行っております。

ハンダ量安定化の方法

ハンダ付け面

コスミックのハンダ付け装置“PSU500”は送り機構部から切断部まで約30mmしかなく、この部分での糸ハンダの曲がりはほとんどありません。

装置の外からハンダを送る方式ではなく引き出す方式を採用しており、安定したハンダの引き込みと引き込んだハンダの切断で絶対量の安定を図っています。カットされたハンダは一定量としてハンダ付け部位に供給します。

カットされた一定量のハンダ片はセラミックのコテ先端に供給されハンダ付けが行われますが、セラミックのコテ先はハンダが濡れないためコテ先にハンダが付着せず、供給されたハンダは全てワーク側に供給されます。

ハンダ量定量化による様々な利点

ハンダ量を定量化することで、単にハンダ付けが安定するだけでなく、さまざま有利な点が生まれて来ます。

1
高精度で連続安定

微細なハンダ付けでもブリッジせずにハンダ付けが可能です。

2
外観検査が容易になります。

ハンダ量が安定するとハンダ付け面の形状が安定します。
スルーホールへの抜けも同様に判定できます。
カメラ等での外観検査(画像処理)にも非常に有利です。

3
材料費を抑えます。

糸ハンダを使用しているため、ソルダーペーストを用いるより安価です。
また廃棄ハンダがほとんど出ず環境面にも優れています。

4
ハンダボール及びフラックスの飛散を低減します。

糸ハンダをカットすることによりハンダ溶解時に熱膨張圧力がハンダ切断面から逃げるためフラックスの爆発が非常に少なく、ハンダボールの飛散も少なくなります。
また、コテ先に包み込まれている為爆発が発生したハンダ及びフラックスはコテ先の壁に阻まれ外部に飛散する数はなお一層に少なくなります。

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